ヤドカリ船長の航海日誌

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 「教育格差」と「私はダニエル・ブレイク」

こんにちは、ヤドカリ副船長の妻です。

仕事も始まり、通常モードですね。

最近の私の関心は「格差」です。お正月休みに、松岡亮二著の「教育格差ー階層・地域・学歴」とイギリス人監督ケン・ローチの「私はダニエル・ブレイク」を見ました。

日本とイギリス、社会学者と映画監督という違いのある二人ですが、どちらもそれぞれの社会の現状を憂い、鋭く問題提起しています。

何より、この二作品から浮き彫りになるのは、子供の教育において最も重要なのは「環境」(どんな人が周りに暮らしているか)である、ということでした。

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親の学歴が子供の学歴と高い相関を持つ

「教育格差」は2019年に話題になったので、既に読んだ方も多いのではないかと思います。教育には色々な言説がありますが、本書はそれらの一つ一つを統計データから検証しています。そして出た結論は、「日本では、出身家庭と地域という本人にはどうしようもない初期条件によって子供の最終学歴は異なり、それは収入・職業・健康など様々な格差の基盤となる」というものです。

考えてみれば、日本に生まれるか、アフリカに生まれるかで最終学歴や収入などに影響があるのは当たり前ですよね。日本は他国に比べて均一な社会と言われていますが、その日本の中においてもなお、出身家庭と地域による格差が存在する、ということがデータによって示されたわけです。

両親が高卒で経済的に貧しい家庭から東大に入った、起業家として成功した、といった成功例はいつの時代にもあるわけですが、これらは統計的には例外です。両親が大卒であると収入が高く、収入が高いと習い事や塾などへの出費が多くなり、結果学歴が高くなる、というのが日本社会の現実です。

 貧困家庭の子が勉強に専念できないシビアな状況

「私はダニエル・ブレイク」は2017年の作品で、第69回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞しました。大工として堅実に生きてきた主人公ダニエル・ブレイクが心臓病で仕事ができなくなってから、生活保護受給をめぐるイギリスの硬直的で絶望的なシステムに翻弄されながらも、シングルマザーとその子供たちとの交流と助け合う姿が涙を誘います。

しかし、これは現実に発生していることです。シングルマザーの子供たちは、ロンドンに住んでいても家賃が払えないため、安い公営住宅への引越しと転校を余儀なくされます。電気代が払えず食品も買えないため、休日はフードバンク(食糧配給)の列に長時間並び、さらに学校では穴の空いた靴やフードバンクに並んでいることをバカにされいじめられます。母親は自分の生理用品が買えないずスーパーで万引きし、万引きは幸いにお咎めなしとなったものの、どうやっても生活が立ち行かず売春宿で働くことを余儀なくされます。

さて、こんな環境で子供達が勉強に集中できるわけないですよね。これがまさに、「教育格差」が言う所の「出身家庭と地域という本人にはどうしようもない初期条件」が子供の学歴と将来の収入に直結するということなんだ、ということを見せつけられた映画でした。